後輩の話 |
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2017年 03月 30日
私事 私事だが、来年度から教員としての仕事に専念するべく、今日大学院に退学届を出した。 未練がないといえば嘘になる。けれども、今年教員の大先輩から「生き方を決めければ、どこからも相手にされなくなるよ」という言葉を頂いてから、ずっと自分の生き方はどこに置くべきか考えていて、その上での選択だから、強い意志で選んだつもりだった。だけど、今日、どうしようもなくひどい出来事を聞いて、その意識がぐらいついている。 大学院で同じゼミだった後輩が、部活の引率中に雪崩に巻き込まれて死んだらしい。 後輩の話 後輩は確か後期課程に進んだ最初の一年の時に、同じゼミに入ってきた子だった。実直そうだなぁと思っていたら実際に実直そのものといったタイプの人で、よくも悪くも大学院には残らないだろうな、と思わせる素朴さがあったのを覚えている。実際、同期の男子が大体博士に進んだ中一人、教員になるといって地方に戻っていった。 毎年夏に行うゼミ合宿で、確かエヴァの新劇場版が上映しはじめた頃だったからか、知らない同期に上映会をしただの、魅力がこうだだの、彼がエヴァについて熱っぽく語っていたのを何故かよく覚えている。後、当時彼女が欲しいと年上の同期に相談して合コンを企画してもらったが、何故か数あわせで私なんぞに声をかけてしまいうまく行かなかったということもあったっけ。純朴で、周りにいじられても怒ることもなく、そして常に礼儀正しい人だった。 自分は三つ上で、とりわけ親しい間柄だった訳ではなかったと思うのだけど、彼と教育について議論したことがあった。確か、ゼミ合宿か文学散歩かの帰りの電車で、教育制度について話していた。その時、彼の親が教員であることなんかも聞かされた。実生活上の僕は、極端な論を言い放つ鼻につく人間で、確か小学校の教室担任制は癌だ、理系・文系だけでも教科担任制を敷くべきだ、といった主張を彼にぶつけていた。もしかしたら、部活動についてもその時何か言ったかもしれない。 自分から見た彼は、教師は聖人君主であるべきだという考えを持っていて、親の経験などから最初それを否定していた。たぶん、性悪説を取り、教師の責任を分散させようとする僕の立場は、彼にとって相容れない部分があったのは確かだと思う。ただ、その後僕が割と強気に意見した時に、立場の違う僕の意見を、真剣に聞いてくれたのは確かだった。教育について話す彼は真剣そのもので、確か三十分位、今の教育制度について話した気がする。 僕なんかと違って、教員にもっとも向いている気質を持っていた人だったと、今でも思う。そんな人が教育制度に殺されて、ニュースで紙っぺらのような写真にされてしまったことに、憤りを通り越して、ただ呆然としている。 今年聞いた山岳部の話 今年度は、都立を定年退職した先生方(ホントに元気でべらぼうに知識を持つ爺様が一杯いた)と横担になり色々お世話になったのだが、登山部の顧問で事故があった話をしてくれたことがあった。 その時は何とも思わなかったのだが、今になると、そもそも何故責任を取れない人間にそのようなことを引き受けさせるのか、と疑問に思わざるをえない。(その人も、顧問になるまでは素人だったと言っていた。) 後輩の雪山での対応を非難する記事がネット上でいくつか見受けられた。ただ、雇われる側の教員である自分から言わせてもらうと、常勤以上の先生が部活動について専門的な知識を持つことは難しい。教科の授業準備に生徒指導、学校内のイベントなどを廻すだけで、登山についての専門的な知識や実地訓練などする暇があったとは到底思えない。教員はインストラクターではないし、インストラクターになってしまえば本末転倒だろうと個人的には思う。そもそも、部活の顧問を二つ以上掛け持ちしていることが端的に示すように、日本の学校は慢性的に人不足なのだ。 そのような状況の中、生徒の命に関わることを片手間でやらしてしまう状況が、先の爺様の話もふまえると、昔から脈々と続いていたということになる。 新任の先生に、断る権限なんてあるはずもない。彼は、言われるままに危険な状況に赴いて、生徒が災害に巻き込まれる中、責任を感じながら死んでいったのだろう。正直、酷すぎる話だと思う。自分も来年度、同じような立場に置かれる可能性があると考えると呆然としてしまう。 部活動への疑問 諸外国に比べて教室人数が多く、財務省が教育に関する費用を年々下げていき、結果として学校は慢性的に人が不足している状況になっている。その中で、このような命を預かる部活をやらせることは不可能なのではないかというのが自分の意見だ。たとえば、柔道で三三年間、一二一人が死亡しているという。業務過多の状況の中で、安全第一になど出来る訳がない。本来なら業務を減らして、勉学に専念する環境を整えるべきだと思うのに。 ・・・ここまで書いて、後輩とした先の電車での議論が思い出されて苦笑されたような気がしたから、筆を止めようと思う。繰り返しになるが、彼は僕が知る中で、もっとも教員らしい資質を持つ人だった。彼が抱いたはずの無念を、二度と誰も抱くことがないようにしないといけない。…どうすればいいのか、皆目見当がつかないけれど。(すいません、最後の一段落を消しました。)
by unuboreda
| 2017-03-30 22:20
| 日記
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