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2018年 02月 10日
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年も細々とやっていくので宜しくお願いします。 1、マーティン・スコセッシ『沈黙 ーサイレンスー』 オリンピックで実際の選手が「Yuri on ICE」を踊っているのを目の当たりにしたとき、眩暈を覚えながら、去年の今頃のことを思い出していた。 自分のしたいことが出来なかった大学院の研究を振り切ってでも、ただ感動を形にしたいと同人評論の原稿を書いていたこと。それで最後だと思っていたこと。実際に、運よく今の学校に決まって研究からは足を洗ったこと。 この映画がベスト1なのは、そんな時期に観た自分の心境がそこに映っていた、ただそれだけのことでしかないのだけど、今はその棄教した後の世界で必死に生きて1年が経とうとしている。 一年前のあの時と違うのは、終わりだと思っていたことは別に終わっているわけではなくて、映画を観たら思うことはあるし、研究論文は読めるし、忙しい中でも忙しいなりにやれることはあるし、禁止されている訳でもないのかなと思い始めたこと。 専念すべきものを優先しなきゃいけないのは確かだし、感受性も年々すり減っているとは思うのだけどね。 それで、今これを書いている中でふと「Yuri on ICE」の9話を見返していたのだけど、初めて観た時のように泣きはしなかったけど、今の心境がそこに映っていて思いを新たにした。…まだ終わりじゃない。(未だ薄氷の上だけどねぇ) 2、西谷弘『昼顔』 さらりと役者とメロドラマだけ撮っているように見えてその実、日本映画のエッセンスや問題意識が凝縮されている。その点では『三度目の殺人』に近いのだけど、瞬間を引き込もうとする演出の諸々が素晴らしく、こっちのが役者の魅力を引き出していて心に響く。(『三度目の殺人』はタイプキャストに拠りすぎだとは思う。)私たちは現在を生きなければならない、という強いメッセージを感じた。 3、安里麻里『氷菓』 アニメーションへの一つの不器用な解答が、翻って現在の状況に対する一つのアンサーになっている。これは原作に触れてなかったからだと思うけど、クライマックスで泣いていて、そのあと年末の休みにアニメ版を一気見した結果、全世界が否定しようともこの作品を肯定すべきだという気持ちになったという。 …という訳で、「語り継ぐこと、書きつけること」という題でこちらに投稿したりタッカーさんにちょっかいを出していたりしているので、暇だったら読んであげて下さいな。(https://twitter.com/i/moments/962210432130805760) スコット・デリクソン『Drストレンジ』 今年はハリウッド大作に食傷気味だったのですが、その中で初期のアメコミ映画が持っていた活劇の鼓動と一個のキャラクターの生、何より作家性を感じた。しかし、『デッドプール』といい、良いと思ったアメコミ作品のほとんどが『ダークマン』を下敷きにしている気がする。 デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』 内田英治『ダブルミンツ』 内田英治一人であればもっと悪ふざけが入ってしまっただろうし、中村明日美子だけでも何気ない日常を追ってしまっただろう。二人がお互いの遊びを認めなかったために、初期の北野映画が持っていた鋭さにまで到達している。漫画原作の映画化が、ここまで作家性のぶつかり合いと化学反応を起こすことは多分ないのではないか。『同級生』よりも良い。これと『咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A』は、ジャンルを突き詰めた結果、沸点から普遍へと到達していると思う。 是枝裕和『三度目の殺人』 吉田大八『美しい星』 『昼顔』と対。どちらも光(とメディア)についての映画だと思う。 ー ー ー ー ー ー 三池崇史『無限の住人』 『アウトレイジ 最終章』の白竜と武のやりとりを「ああ、これ『座頭市物語』なのか」と思いながら観ていた時に、あのあまりにも簡素な結末を観て、「名人の怠惰より凡人の情熱を買いたい」と思い評価があがった。殺陣はベストどころかベターですらないとは分かってはいるけれど、あれだけの人数をきっちりロケーションの中で動かして、それなりに空間を意識させられた映画が他になかったのも事実。それに何より、守り直しをしていく万次の描き方に丁寧さと愛を感じる。中盤の長回しは今年度ベストシーンの一つ。 ニールス・アルデン・オプレヴ『フラットライナーズ』 ニューメディアによる知覚の表象としては『メッセージ』の俯瞰による全能感よりも、時間の喪失ともに進行する主観の錯綜と浸食のが正しい、と個人的には思っている。オリジナルが持つ宗教的主題を、メディアに浸りながら交換可能な私たちの生にぶつけるというセンスも良い。(この映画、がちゃがちゃと言われればそれまでだけど)後単純に俗っぽいホラーシーンが好きなんだろうなぁ、とも自分で思う。 準ベスト 『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』 『氷菓』と対。林民夫の映画なのだけど、滝田監督は林民夫が根本から持ってないリズムを映画に持ち込んだと思う。何故ベストに入らないかというと、ラストの綾野剛にはホントに納得いかないから。いや、黄金チャーハン作ってくれよ。 『哭声』 ほとんど即興としか思えない荒削りなショットの連続が、策謀と血が渦巻く魔界としての韓国を活写していく。様々な争いの渦中とされた韓国という国が持つ根源的な父権の問題を、エクソシストというジャンルを刷新して炙り出す意欲作。役者とロケーションを鮮やかに切り取る力やルックがJホラーより一段上なのが悔しい。 『エンドレスポエトリー』 ラストの詩人とホドロスキーのやりとりにて深い傷を負ったので一生忘れないと思う。心には従ったんだけどなぁ…。 『パーソナルショッパー』 理知的に撮りすぎているきらいがある。 『君は一人じゃない』 『パーソナルショッパー』と対。理知的に取り切れていない節があって、そこが美しい。 『ブレードランナー2049』 ドゥルヌーブで一番映画が緩くて一番親しみがもてる。けど、「お前はサスペンスを撮るべきだ」と誰かが説得すべきだとは思う。 『ヘッドショット』 今年、『RE:BORN』『ドラゴン×マッハ!』『デッドロック4』と各国で凄まじい質のアクション映画が産出された訳なのですが、その中で一番良かったのがこれ。早回しを使っているというのも分かるのだけど、ドラマツルギーとアクションのバランスがとれていると思う。『RE:BORN』はドラマ部分が脆弱すぎで、逆に『ドラゴン×マッハ!』は情緒過多でバランスを崩している。 主人公がいつ記憶を回復したのかが明かされてないのが良い。暴力の坩堝へと愛する人を引きずりこんでしまった、そうしなければ愛せなかったと抱擁する場面で、ジャンル映画が『レベッカ』に近接するという奇跡。 好意的評価 『獣道』 内田英治版『秒速5センチメートル』。ただ、悪い意味で園子温に近づいている印象で、モノローグの構成や遊びのシーンのせいか映画全体が自分が観た中だと一番緩い。シーン単位ごとなら悪くはないんだけどねぇ。 『青鬼』 トイレのシーンの空間演出の素晴らしさを観て、僕は『血煙の石川五右衛門』でこれが観たかったと言ったとか言わないとか。CGによるグロテスクな身体の変容もよく、クライマックスにスーパーショットもあってこれぞホラーと呼ぶべき創意工夫に溢れている。脚本も映像化された『青鬼』の中でダントツに出来がよい。 『FATE HF』 観ている間中、ずっと『空の境界 矛盾螺旋』の幻影を追っかけていた。まぁ観ている時の精神状態が空虚そのものというか最悪だったので全く参考にならないのですが、それでも一言言うなら、クライマックスのライダーのシーン、平尾監督なら絶対にPOVは入れなかったと思う。 『ここさけ実写』 前半はワーストレベルなのだけど、原作の欠陥を拾いにいく後半が映画であることを取り戻していく。 悪い作品ではないが、世評に比してイマイチ乗れず 『ローガン』 実をいうと絶賛の嵐の中釈然としない何かを感じたまま現在に至っていて、正直口にしていいのか迷う。 まず最初のアクションシーンのカーチェイスの、「『マッドマックスFR』を参照しました、撮り方は知りません」といわんばかりの雑な編集に怒りを感じていて、誰がどこで走っているか分からない、どこに向かっているのかも分からない、でもルックだけ剽窃します、ってさすがにそりゃないだろと。あのシーンが全編尾を引いてしまって常に違和を感じながら観てしまった。 そうすると実験映像のシーンは『クロニクル』、冒頭はレフン以後の赤い照明、と各シーンも他のスタイルの安易な踏襲にしか見えてこなくなってきて、アメコミ映画だからそれでいいのかなと思いつつ、うーん、そうじゃないよなぁと観ていた中、クライマックスで「これは違う」という確信に至った。 『3時10分、決断の時』が何故感動的か、という話にもなるのだけど、「持っている」ラッセル・クロウと「持っていない」クリスチャン・ベールがすべてを振り切って二人が翔けていく様を、一続きの運動として見せているからだと思うのです。きっちり状況が描かれた後で、カメラが二人と共に動いて空間を切り裂いていく。それが世界への反抗として目に映るから心が動く訳で。 『ローガン』において、追われる子供と追う大人たち、そこに割って入るヒュー・ジャックマン、という三者の関係性が空間の中で描こうとしているとはどうしても思えず、そこで最後の『捜索者』の引用が感動的であっても、ただの言語じゃないか、と思ってしまった。映画作家としては『ナイト&デイ』の頃より随分後退しているという評価。 『アウトレイジ 最終章』 あの完璧な『アウトレイジ ビヨンド』の続編がこれでいいはずがない。 『キングコング 骸骨島の巨神』 ①そもそも怪獣の見せ方がそんなにうまくない。(『怪獣惑星』に比べたら数億倍マシなのだけど) ②後半の脚本が『最後のジェダイ』並みにアレ。 ③そもそも『地獄の黙示録』を参照した隠喩が全然面白くない。アジア=コングで殺せるけど仲良くしませう、っておいおいという感。同じく『地獄の黙示録』を見据えながらイラク戦争における内部から精製されてきた「敵」という虚像の側面まで切り込んでいた『ユニバーサルソルジャー 殺戮の黙示録』や『ニンジャ・アベンジャーズ』を100回観て出直してほしい。 『夜は短し歩けよ乙女』 一部のシーンをのぞいて、空間的広がりもなく、フラッシュはフラッシュなんだという予定調和的な画面が繰り広げられる。あの文化祭でのミュージカルの平坦さはダメでしょうよ。(『デビルマン クライベイビー』のが、画面自体の動性が持続していると思います。) 『ベイビードライバー』 音楽のリズムと共に予定調和的に展開されるアクションは、驚きも何もないただのPVに堕落したようにしか見えず、自分にとって前半が致命的にダメだった。外部が存在しなければアニメにはなってもアクションにはならない、の典型。後半のが好きなのだけど、後半も予定調和的リズムの世界から脱する、という風にはなっていない。 『血煙の石川五右衛門』 東映アニメーションを踏襲しようという意図は分かる。アニメーションがスゴいのも分かる。が、予告ショットをはじめ、動作主をひたすら映すだけの悪い意味でアニメ的なアクションシーンに終始首をかしげっぱなしでした。小池健ではワーストだと思う。 だめだと思うよ 『こども使い』 前半はそこまで悪くはないと思う。だが、Jホラーお得意の呪いの起源探しをはじめて、タッキーがしゃべりはじめてからは悲惨。悪夢。 アルジェントやホドロスキー好きなのは分かったから、『劇場版 零』を百回観てやり直してほしい。 『たかが世界の終わり』 たかが固定カメラの怠慢。
by unuboreda
| 2018-02-10 21:48
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