そういや女郎蜘蛛というイメージを使った歌詞の歌を聴いたことがない。 |
社会の中で女性の地位がかなりあがったと思うんだけど、(文化が男性のものから女性のものに移ってきている、と考えているんだけどそれはまた後に書くか)なんか「悪女」というタイプの人間があまり描かれなくなった気がするのは気のせい?関係ないか。
スピッツ「スパイダー」
バインと中村一義、とまぁなんか関連性ありそうでなんでお前スピッツ聞いてなかったの?(ナカカズはそうでもないけど。最近の曲の透明感が似てるぐらいで)と思うような感じだったので、スペシャで流れていたPVの曲も素晴らしかったのでベストを聴いてみた。(しかしPVに恵まれているなスピッツ、「さわってかわって」のPVのイントロ部分は神クラスだし、夢じゃないのアニメーションも素晴らしいし。見るものに不快感と嫌悪感を植え付ける「光について」のPVや紹介すべき曲がメロドラマのおまけになってしまっている「会いにいく」とか、PVに恵まれてない器用貧乏なバンドと大違いでいいデスね。)
スパイダーというのはまぁ引き篭もりというか、マイノリティの比喩の代名詞ですな。グロテクスな外見と、巣を張ってその中でしか生きられない姿から取られているのは説明するまでもなく。HIDEの名曲「ピンクスパイダー」は飛べないから他人から羽を分捕るわけだし、例に漏れず部屋の中でうずくまっている。蜘蛛であることを2番の出だしで「かわいい君を捕まえる」とうまく使っている。
でもサビの部分の「逃げる」「走りつづける」という部分が全然蜘蛛じゃない。蜘蛛は自分の制限された世界から逃げられないから蜘蛛なわけで。
そうするとサビは現実から空想上、夢の世界に君といっしょに逃避する、ということなんだろうな。しかしこの曲の「君」というのが現実の君じゃなくてその記憶の中だけにある君なんじゃないのか?君は現実で変わってしまうかもしれないけど、僕は今の姿の君の記憶と夢の世界に行くから、というなんだかとっても閉鎖的な解釈をしてしまう。僕に火をつけたライター(君)は知らんぷりしているんだから、とか思ってね。
まぁそれは飛躍した見方だとして、最後の「力尽きた時は~」の歌詞がすごくいいなぁ。僕が現実に埋もれても君は笑っていて、か。
しかしスピッツ、マジで歌詞が凄い。フレーズひとつひとつにセンスを感じる。もっと聞いてみよ。
PS・この曲の中で一番好きなフレーズは2番の最初「かわいい君を捕まえた、とっておきの嘘振りまいて」
純愛とか世の中言ってますけど、恋愛ってほんとはだましあいというか、もっといかがわしいものでしょ?そういう意味の恋愛をうまく綺麗に言えるのは凄いと思うわけですよ。バインのHOPE(軽め)とか、こういう本質を撃ち抜いた歌が巷に流れてほしい。ラブソングでも。