独裁の末路 |
ところどころ雑になる絵、前半語られる伏線が中盤以降すべて無視される脚本、素人の集まりである声優陣、垢抜けていないどころか基本もなってない演出・・・。確かにこの映画のほとんどは駄目駄目で、1800円の価値はないと断言できる。
ただ、エヴァンゲリオンが途中で投げ出したテーマをたどたどしくながら語りきったことには、正直驚いた。それは今までのジブリではできなかったことだろうし、ただの素人でそれだけできたのは評価したいと自分は思う。
逆をいえば、なんでこの映画は庵野秀明や細田守のようなプロが監督していないのだ?という疑問を抱かざるをえないのだが・・・。(個人的に庵野は半分プロとして失格だと思っているけど)
宮崎駿はどんな顔をしてこの映画を観たのだろうか。誰も認めることができずに誰もまともに育てられなかった彼自身や、作家としての原点を金で買取り使い捨てる彼のスタジオの姿が、愚息以上にありありと浮かぶこの映画を。