リアルに、陰湿に、そしてつまらなく! |
パニッシャー
家族を殺された野朗が処刑人となってジョン・トラボルタ率いる893に復讐・・・じゃなくて制裁する話。復讐だけどね。
復讐のために復活、マフィアを一人づつ〆ていったり、セコイ計略を交わして仲間割れさせたりしていくヒーロー。
ところどころ変なギャグを織り交ぜて、殺し方がやたら酷い。
そしてラスト
「CALL ME PUNISHER」
・・まんま、ダークマンじゃないですかw
いやまぁ、アメコミ物として屈指の出来であるダークマンを模倣するのは大変正しい。正しいのだが・・・なんか間違っているぞこれ。
まずダークマンの処刑方法はサムライミの半分悪ふざけスプラッター演出だから見れたのであって、それをリアル路線でやられたらマジで引く。線路に女性落として列車で轢かせたり、身体についているピアスを引き抜く拷問とか、数日前に観たサスペリア2よりヒドイと思ったぞ。
そして主人公の感情・哀しみが全く伝わってこないのは非常に不味い。勿論「そういうキャラクターだから」というのもあるのだろうが、そのキャラクターとダークマンのセコいやり方は非常に合わない。ダークマンの深い苦しみと小道具のギミックがあったからこそあれで良かったわけで、パニッシャーの場合は「なんかカッコイイこと言っているのにセコイ奴」で終わってしまう。
弾丸の弾がいくら被弾して痛そうでも心の弱さを表現できなければリアルなヒーローにはならないのでは?
ってかダークマンをリアル志向でやることがそもそもの間違いという話もある。
まぁでも、教育映画としてはいいかも。爽快感の欠片もない暴力描写を観れば「暴力は楽しい」「戦争は楽しい」とか子供達が勘違いすることもないよね。これを観せましょうPTAの皆さん。