試写会にて |
ガンアクションもカーチェイスもしっかり観せることができていたと思ったし、映画らしい影のつけ方もできていて画面に緊張感があった。電話やサッカーボールといった小道具の使い方もうまく、アクション映画として合格点以上のものはあったと思います。
ただ、アクション映画だからといって設定をなおざりにして、物語を語る気がなかったように見受けられたのはいただけなかった。例えばスナイプスが48時間以内にアメリカに戻らなければいけない、という設定があるのだけど、おざなりにされてしまっている。そのへんの影響かウェスリー・スナイプスという役者の特性かはわからないが、主人公の心理の変化が全く分からなかった。
アクション映画で主人公に感情移入できるかできないか、というのはかなり重要で、一流のアクション映画はそれによってアクションの高揚感を下手したら数倍くらいに高めることができている。その点が、カッコつけ重視の『ブレイド』や『リべりオン』よりできていないというのは不味いのではないだろうか。心理描写は『ブレイド』より時間が割かれていたものの、どちらかといえば「ブレイド」のスナイプスのほうがキャラクターに血が通っているように感じた。バイクで転んでも肝心なとこで策重視では逆にかっこよくない。
その点において、『デトネーター』は一級品のアクション映画というにはどこか微妙に欠けているように、自分には感じた。