硫化水素自殺について |
世間や自らに無関心だった周囲の人間にかまってほしいのだろう。
どうせ今まで世間からうとまれ、無視され、阻害されてきたのだから、最後位世間や周りに対して傷痕の残したい、などと考えているのかもしれない。
これを自分勝手、と簡単に片づけられていいのか、僕にはよく分らない。
多分、今自殺している人々がただそのまま自殺したならば、ニュースにも取り上げられることなく世間から無視されたままでその命は葬り去られていただろう。この国は年間3万人もの人が自ら命を絶っている。そういった命を無視し続けた結果として、このような現象が起こったような気もする。人身事故で人が死んだことよりも電車が遅れたことを気にするような世間に対しての、とっておきの哀しい悪意・・・。
正直、俺だったら自殺するならなるべく迷惑をかけないように、知り合いに対して当てつけにならないようにと考えるし、褒めた行動じゃないことは確かだと思う。レスキューやそれを処理する人たち、現に悪意に晒されてしまった人たちのことを考えれば、こんなことを考えてはいけないのかもしれない。(もし、自分に近い人がその悪意に晒されて死ぬようなことがあれば、僕は怒り狂ってると思う)
ただああやって死んでいく人々の気持ちも分らなくもなかったりする。現に、今まで「勝手に死ねば?」と言わんばかりだった世間が動いている・・・。
必要なのは蔑みや切り捨て、レッテル張りなんかじゃないとは思うんだ。一人一人が優しさとか思いやりとか誠実さを少しでも持つことができれば、こういうことは減るんじゃないかな、と思う。それができないから、こんなことになっちゃっているんだろうけど。
こんな風にしか死ねない人たちもこんな風に死なないと認識できない我々も、ただただ哀しい存在だと思う。